淵より

ハイファンタジーBL。

エルフの長命は人為的に作られたものだったという真実を知り自分の寿命を直したルシェルと、狩猟民族の人間ハルドの物語。知識はどう扱われるべきなのか。どう選択しどう生きるか。時間とは何か。二人は物理学者エリアスとの友情を胸に、旅を続けながらこれらの問いに向き合っていく。

登場人物

※イラストは全てAI生成画像

ルシェル

ルシェル・シルヴァン・オーレリス(Luchel Sylvain Aurelith)

種族:エルフ

薬師で魔法薬を調合するのが得意。現在260歳くらい。エルフの里出身だが、知識を独占し長命を誇ることで他種族を見下す里の保守性が性に合わず、里から離れた森で一人で暮らしていたときに、怪我をして倒れていたハルドを介抱した。

倫理>理論。本質的に誠実、正義感が強い。言葉を尽くし、物事を深く考えるタイプだが、信念のために暴走気味になるような無鉄砲さも持ち合わせている。

感情を見せないことが美徳とされている一般的なエルフ族とは裏腹に、感情がよく顔に出るしはっきり言葉にもする。

ハルド

ハルド・ブルネイス(Hald Brunneis)

種族:狩猟民族(人間)

狩猟民族出身で動物を追いかけ移動しながら暮らしていたが、「強い男が集落を治め、弱い奴と女はそれに従う」という集団の価値観に納得がいかず孤立しており、自暴自棄になっていたときにルシェルに助けられた。

無骨で寡黙なタイプだが、情は深い。旅を通じて鍛冶の技術も学び、身につけた。最近は自分で武器を作っている。狼と会話ができる。

ルシェルを心から愛していて、最初は育ってきた環境の価値観が内包されており独占欲が暴走する傾向にあったが、徐々に所有欲から解放された愛を学んでいる。

エリアス

エリアス・ヴェルナー(Elias Verner)

種族:魔法使い(人間)

知の都の学術機関「星詠みの塔」で時間概念・四次元的視点からの天文学などを研究している、哲学寄りの物理学者。

「完全無欠、孤高のエリアス・ヴェルナー」と呼ばれ、大抵の人からは畏怖され上司からは疎まれている。アロマンティック・アセクシャルで、一人の生活を心から満喫している。知的で冷静、完全無欠に見えるが、実際はただ自分にとって最も快適な生き方を誰よりもよく理解し、それを貫いているだけである。理論>倫理。

他人との余計な接触や感情を揺さぶられることを嫌うが、ルシェルとハルドは一緒にいて居心地が良いと感じられる唯一の親友であり、彼らのためなら禁書保管室に潜入して本を盗んだり、変装して牢屋に忍び込んだりと、大胆な行動を取ることもある。

星詠みの塔

アレクサンダー

アレクサンダー・クロフォード(Alexander Crawford)

種族:人間

知の都の学術機関「星詠みの塔」で、民俗天文学・種族の天体観測史・神話と天文学の関係を研究している文化人類学者。

エリアスの唯一の同期。軽妙洒脱、ウィットに富み、余裕のある雰囲気を纏っている。遊び人の顔を持つが学問の情熱は本物で、内心ではエリアスをかなり尊敬している。「文化は体験しないとね!」がモットーでフットワークが軽くすぐに現場へ行くので、研究室にはあまりいない。

名家の生まれで、知の都の名門校(パブリックスクール的な学舎)出身。

ライエル

ライエル・フェリオン・サリュナス(Liel Feryon Salyunas)

種族:エルフ

知の都の学術機関「星詠みの塔」の第三階級である学士たちの秘書を務めており、エリアスとアレクサンダーが昇格したのちは彼らの秘書となる。冷静で几帳面、知的で礼儀正しい。真面目そのもので事務的にしか笑わない。

密かにエリアスに恋をしているゲイだが、「星詠みの塔」の秘書という仕事に誇りを持っているため感情を押し殺している。

エルフの里

長老

千年近くエルフの里の長老をしている女性のエルフ。

セイラン

セイラン・ヴァルエルド・ナヴィリス(Seiran Valuerd Navilis)

種族:エルフ

普段はエルフの里で暮らしている長老付きの学者だが、ルシェルの考えを支持している。言葉遣いは知的で丁寧で、よく微笑み物腰柔らかいが、決して怖気づかず引かない性格。ハルドの存在を全く気にせずルシェルに近づく。

ノンバイナリー。モノアモリーな考え方をしない。